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測定器とは|工作機械の現場で使われる測定器?測定工具の種類を紹介

測定器とは|工作機械の現場で使われる測定器?測定工具の種類を紹介

更新日時:
2021/09/11 (2020/04/22 公開) 編集者:甲斐 智
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NC工作機械には、「加工前のワークが正確に取り付けられているか」を確認したり、「加工後のワークが指定のサイズに削れているか」を測るため、さまざまな測定器が使われます。

信頼性の高い寸法測定こそが、日本のものづくりの原點とも言えます。

この記事では、手で測るアナログの「ダイヤルゲージ」をはじめ、センサを搭載した「3次元測定機」など、実際の金屬加工の現場で使われている測定器を、かんたんに紹介します。

金屬加工と測定器について|高価な工作機械を使っても、「測る」技術がなければ精密加工はできません!
高価な工作機械を使っても、「測る」技術がなければ精密加工はできません!

測定ってなに?

金屬加工と測定器について|測定ってなに?

モノのサイズに「絶対的」な數値はありません。
精度が保証された測定器を使ってはじめて、信頼できる數値を知ることができます。

測定(measurement)
ある量を、基準として用いる量と比較し數値又は符號を用いて表すこと。
引用元: 日本電気計器検定所「計測関係用語集」

測定器自體も使っているうちに數値のバラツキがおおきくなるため、さらに精度の高い測定器を使った定期的な補正がかかせません。

この補正は「校正」や「キャリブレーション」ともよばれます。
定期的な校正のもと、測定器の精度を管理することが重要です。

金屬加工と測定器について|測定ってなに?

金屬は熱変異の影響を受けやすいため、 精密な測定には徹底した溫度管理 が重要です。
JIS規格では、図面で指定された寸法は「20℃の環境下での値」と決められています。

※この記事では、オフライン(加工工程の外)や、検査工程で使われる測定器を紹介しています。
インライン(工作機械の機上計測)で使われるセンサについては、以下で紹介しています。

金屬加工の現場で使われる「測定工具」「測定器」の種類

金屬加工と測定器について|NC工作機械の現場で使われる「測定工具」について

測定工具?測定器は、作業者が「手で持って測る」ための工具です。

エンジニアのポケットに必ず刺さっている「スケール」とよばれるモノサシは、現場の定番工具としておなじみですがですが、その他にもノギスやマイクロメータなど、金屬加工の現場ではでさまざまな測定工具が使われています。

測定工具は使い方によって、おなじワークでも作業者によって測定値にバラツキがでたり、ワークをキズつけてしまったりすることも…
正確に使いこなすためには、日ごろの経験の積み重ねが大切です。

測定工具?測定器の種類

ノギスによる測定

金屬加工と測定器について|ノギスによる測定
金屬加工と測定器について|ノギスによる測定

ノギスは金屬加工の現場でよく使われる、代表的な測定工具のひとつです。

NC工作機械の「ワーク取付時の測定」や「加工後の測定」だけでなく、機械設計や自動車整備などさまざまな業界で広く使われています。

金屬加工と測定器について|ノギスによる測定

ワークを「測定ジョー」とよばれる2本の爪にはさみ込むことで、0.05mm単位でかんたんに測定ができ、1本のノギスで外徑?內徑?深さを測定することができます。

長さは300mmのものが標準ですが、1000mm以上のロングタイプもあります。

數値表示がデジタルになった「デジタルノギス」もあります。
デジタル式は內部のスケールをセンサが読み取ることで、0.01mm単位で測定ができます。

デジタルノギスは初心者でも扱いやすいのが特徴ですが、アナログにくらべ電池が必要なため、現場でも好みがわかれます。

マイクロメーターによる測定

金屬加工と測定器について|マイクロメーターによる測定
金屬加工と測定器について|マイクロメーターによる測定

マイクロメーターは金屬加工の現場でよく使われる、代表的な測定工具のひとつです。

測定子を回転させながらワークをはさみ込むことで、0.01mm単位でかんたんに測定ができます。

測定時にワークの中心と測定子の中心が重なるため、ノギスにくらべて測定精度が高いのが特徴です。

本體の構造上、測定範囲が25mmと限られてしまうため、ワークの種類によっては複數のマイクロメータを用意する必要があります。
(0~25mm用、25~50mm用、50~75mm用、75~100mm用など)

金屬加工と測定器について|マイクロメーターによる測定

內徑測定には「內側マイクロメーター」、深さ測定には「デプスマイクロメータ」など、それぞれ専用のマイクロメーターが必要です。

ノギスとおなじように、數値表示がデジタルになった「デジタルマイクロメータ」もあります。
デジタル式は、0.001mm単位で測定をすることができます。

ダイヤルゲージによる測定

金屬加工と測定器について|ダイヤルゲージによる測定

マイクロメーターは金屬加工の現場で使われる、精度の高い測定工具です。

NC工作機械のテーブルに取り付けたワークの平行出しや、NC旋盤のワークの芯だしなど、サイズの測定ではなく変位量をミクロン単位で測定するのに使われます。

金屬加工と測定器について|ダイヤルゲージによる測定

ダイヤルゲージ単體では測定できないため、治具やマグネットスタンドに取り付けて使います。
また先端の測定子をローラーやニードルなど、ワークのカタチにあわせて交換が可能。

「てこ式」や「デジタル式」などさまざまな種類があります。

ピンゲージによる測定

金屬加工と測定器について|ピンゲージによる測定

ピンゲージは所定のサイズに精密に仕上げられた、丸棒狀の測定工具です。
穴加工後の內徑の検査でよく使われます。
(ピンゲージが穴を通れば合格、通らなければ不合格など)

取り扱いがむずかしく、溫度変化による熱膨張や、サビの発生などに注意が必要です。

セラミックや超硬合金など、耐久性の高い素材でつくられています。

リングゲージによる測定

金屬加工と測定器について|リングゲージによる測定

リングゲージは所定のサイズに精密に仕上げられた、ドーナツ狀の測定工具です。

金屬加工と測定器について|リングゲージによる測定

旋削加工後のバー材の検査など、ピンゲージとは逆の用途で使われます。

限界栓ケージによる測定

金屬加工と測定器について|限界栓ケージによる測定

限界栓ケージは所定のサイズに精密に仕上げられた、丸棒狀の測定工具です。
工具の両端にそれぞれ「通り側?「止まり側」のゲージがついています。

はめあい公差のきびしい穴の內徑検査で使われます。
(穴に工具を差し込み、「通り側?が入り「止まり側」が入らなければ合格です)

金屬加工と測定器について|限界栓ケージによる測定

ノギスやマイクロメーターにくらべて、作業者による測定のバラツキがでないのが特徴です。

ブロックゲージによる測定

金屬加工と測定器について|ブロックゲージによる測定

ブロックゲージは所定のサイズに精密に仕上げられた、ブロック狀の測定工具です。

測定工具のなかでももっとも精度が高く、測定器の校正にも使われます。
平行度も高いため、積み重ねて使っても正確な寸法が得られます。

金屬加工と測定器について|ブロックゲージによる測定

取り扱いがむずかしく、溫度変化による熱膨張やサビの発生などに注意が必要です。
(測定面は直接素手で觸れないようにし、セーム皮やウエスなどで扱います)

セラミック超硬合金など、耐久性の高い素材でつくられています。

すきまゲージ(シックネスゲージ)による測定

金屬加工と測定器について|すきまゲージ(シックネスゲージ)による測定

すきまゲージは所定のサイズに仕上げられた、薄い板狀の測定工具です。
モノとモノの間にはさみ込むことで、わずかなスキマの寸法を測定します。

厚さ違いの薄板を組み合わせることで、さまざまなサイズのスキマを測定できます。

ハイトゲージによる測定

金屬加工と測定器について|ハイトゲージによる測定

ハイトゲージは、ワークの高さを測定するための測定工具です。
ハイトゲージとワークを定盤(水平の臺)の上に置き、身長測定とおなじ要領で測定します。

測定子の先端は超硬合金になっていて、ケガキ作業(ワークの表面に、基準線や穴位置を書く作業)をすることもできます。

感圧紙による測定

測定工具とは少し異なりますが、わずかなスキマや密著の確認には「感圧紙」とよばれる特殊フィルムが使われることもあります。
感圧紙をはさみ、面と面を密著することでわずかなスキマが発色、その発色をもとに微調整を行います。

NC工作機械の現場で使われる「測定機」の種類

測定機は、センサを內蔵した機械裝置です。
複雑なカタチのワークでもかんたんに測定ができ、作業者の違いによる測定値のバラツキもありません。
アナログの「測定工具」とくらべて作業効率が高く、ワークの検査もかんたんにできます。

測定には、「電気」や「空気」など、さまざまな測定原理が使われます。

測定機の種類

3次元測定機(CMM)による測定

金屬加工と測定器について|3次元測定機による測定

3次元測定機は、ワークの立體寸法(幅?奧行き?高さ)を測定するための測定機です。
英語の頭文字(Coordinate Measuring Machine)をとって、CMMともよばれます。

接觸式のプローブや非接觸のレーザーをワークにあて、X?Y?Z それぞれの座標を検出します。

金屬加工と測定器について|製造現場で使われている大型の3次元測定機
製造現場で使われている大型の3次元測定機

パレットに取り付けられた加工前のワークの位置確認や、加工途中の精度の検査、加工後の不良検査など、工作機械とあわせて利用されることが多くなっています。

CMM(三次元測定機)の普及に伴い、CMMの設置環境も測定機としては過酷な環境に設置されることが多くなってきている。
しかし、過酷な環境においても測定精度への要求は益々高くなってきている。
引用元: 精密工學會「現場環境における三次元測定機の高度化に関する研究」
金屬加工と測定器について|3次元測定機による測定

5軸加工で削った自由曲面や、複雑なカタチのワークなど、アナログ測定ではむずかしい測定がかんたんにできます。

金屬加工と測定器について|3次元測定機による測定

3次元CADとの相性もよく、測定結果をCADにフィードバックすることで、実物のワークから図面を起こすこともできます。

電気マイクロメーターによる測定

金屬加工と測定器について|電気マイクロメーターによる測定

電気マイクローメーターは、電気の変位量を利用した測定機です。

検出用のプローブをワークにあて、わずかな電気の変位量をアンプで増幅することで、測定値に変換します。
(アナログのマイクロメーターとはまったくことなる機器です)

検出用のプローブを交換することで、深穴や薄いワークなどさまざまな測定に対応可能。
精度が高く、0.001mm単位で測定値を表示することができます。

空気マイクロメーターによる測定

金屬加工と測定器について|空気マイクロメーターによる測定
NC內面研削盤での空気マイクロメーター設置例

空気マイクロメーターは、空気の圧力の変化を利用した測定機です。

エアノズルからでる圧縮エアをワークにあて、わずかな空圧の変化量を測定値に変換します。
(アナログのマイクロメーターとはまったくことなる機器です)

測定用のヘッドを交換することで、外形?內徑などさまざまな測定に対応可能。
非接觸で検出するためゴミや油の影響を受けず、ワークに傷をつける心配もありません。

畫像測定機による測定

金屬加工と測定器について|畫像測定機による測定

畫像測定機は、カメラスキャンおよび畫像解析を利用した測定機です。
ステージ上に部品を置きスキャンボタンを押すだけで、作業者の習熟度を問わずかんたんに各部の寸法を計測することができます。

部品から図面を起こしたりCADデータとの照合による不良品判別もでき、計測作業を大幅に短縮することができます。

測定ってなに?まとめ

この記事では、「ダイヤルゲージ」や「マイクロメーター」などの測定工具をはじめ、「3次元測定機」など、金屬加工の現場で使われているさまざまな測定器を紹介しました。

いくら高価な機械を使っても、「測る」技術がなければ精度の高い加工をすることはできません。
本記事が、奧深い「測定」を知るきっかけとなればうれしいです。

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周辺機器 除去加工

この記事の編集者?プロフィール

甲斐 智(KAI Satoshi)
甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大學修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
15年以上に渡り、工作機械業界?FA業界のWebマーケティングに攜わる
メーカーでは各種技術専門誌へ寄稿
文部科學省「學校と地域でつくる學びの未來」參加企業

所屬
SNS?運営サイト

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