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なるほど金屬材料|鉄鋼?非鉄金屬の違いと快削材?難削材について

なるほど金屬材料|鉄鋼?非鉄金屬の違いと快削材?難削材について

更新日時:
2021/09/11 (2020/09/10 公開) 編集者:甲斐 智
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塑性加工 | 除去加工 |
       

金屬加工の現場ではさまざまな「金屬材料」が使われます。

金屬材料にはそれぞれ特性があり、素材と加工の組み合わせによっては、品質にバラつきがでたり、製品不良の原因になることも。

材料の選定は製品の「仕様」や「コスト」によって決められますが、切削プレスなど 加工方法にあわせた材料選び も重要です。

この記事では、代表的な「金屬材料」の種類と特徴について解説しています。

金屬材料について|「鉄鋼」と「非鉄金屬」をはじめ、さまざまな素材が使い分けされています!
「鉄鋼」と「非鉄金屬」をはじめ、さまざまな素材が使い分けされています!

金屬の種類

金屬材料に使われる素材は、おおきく「鉄鋼」と「非鉄金屬」に分けられます。
製品や加工目的によって、さまざまな素材が使い分けられています。

鉄鋼の種類について

鉄鋼は、金屬材料のなかでも低コストで加工性がよく熱処理しやすいことから、たくさんの製品に使われています。

鉄鋼は工業製品の90%を占めるといわれ、産業機械や鉄道?航空などなどあらゆる産業の基盤となっています。

炭素鋼(鋼 はがね)

金屬材料について|炭素鋼(鋼 はがね)

炭素鋼は鉄に0.02%~2%の炭素を含んだ金屬で、一般的には鋼(はがね)とよばれます。
(純度の高い鉄はもろく加工がむずかしいため、工業製品では使われません)

熱処理によって性質を大きく変えることができるため、はば広い用途で使われています。

炭素鋼とは:
炭素鋼(たんそこう、carbon steel)とは、鉄と炭素の合金である鋼の一種で、炭素以外の含有元素の量が合金鋼に分類されない量以下である鋼である。
加工が容易で廉価なので一般的によく使用される鉄鋼材料である。
引用元:フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)

〈炭素鋼の種類〉

SPCC(冷間圧延鋼板)

金屬材料について|SPCC(冷間圧延鋼板)

SPCCは、板金や「プレス加工」「曲げ加工」などで使われる板狀の金屬材料です。
低コストで加工性がよいため、自動車や家電などの一般的な部品材料として広く利用されています。

SS材(一般構造用圧延鋼材)

金屬材料について|SS材(一般構造用圧延鋼材)

SS材は、ビルや橋などの建築?土木で使われる「構造用」の金屬材料です。
じん性(ねばり強さ)がありコストパフォーマンスも高いため、船舶などのおおきな構造物にも利用されます。

SS400など、SSの後ろに「引張り強度」をつけて表します。
溶接や熱処理はせずに使われるのが一般的です。

SC材(機械構造用炭素鋼鋼材)

金屬材料について|SC材(機械構造用炭素鋼鋼材)

SC材は歯車や軸部品など、「機械部品」の素材として使われる金屬材料です。
加工性がよく焼入れもできるため、強度が必要とされる産業用部品として広く利用されています。

S45C?S55C など、SとCのあいだに「含まれる炭素量」をつけて表します。

SK材(炭素工具鋼鋼材)

金屬材料について|SK材(炭素工具鋼鋼材)

SK材はドリルやハンドツールなど、「工具」の素材として使われる金屬材料です。
硬さと耐摩耗性に優れているのが特徴です。

クロムやタングステンなどを加えた「SKH」は、マシニングセンタの高速加工にも広く利用されています。

SK95など、Sの後ろに「含まれる炭素量」をつけて表します。

合金鋼

金屬材料について|合金鋼

合金鋼は「炭素鋼」をベースに、さまざまな金屬を加えた金屬材料です。

クロムやモリブデンなどさまざまな元素を加えることで、もとの金屬よりも強度や機械的性能を高めることができます。

金屬材料について|ステンレス鋼

耐食性を高めた「ステンレス鋼」や、溶接性を高めた「マンガンモリブデン鋼」などが知られています。

鋳鉄(ちゅうてつ)

金屬材料について|鋳鉄(ちゅうてつ)

鋳鉄(ちゅうてつ)は、主に「鋳造(ちゅうぞう)」で使われる金屬材料です。
炭素を多く含むため融點が低く、鋳型のすみずみにまで金屬を流し込むことができます。

內部のグラファイト(黒鉛)を変化させることで、硬さや切削加工性を向上させた「ダクタイル鋳鉄」とよばれる金屬材料もあります。

高い強度がもとめられる、自動車部品やマンホール?水道管などに利用されています。

特殊鋼

金屬材料について|特殊鋼

特殊鋼は、鉄に炭素以外のさまざまな元素を加えた金屬材料です。

添加する元素の性質によって、強度や硬度、耐食性?耐摩耗性など、材料に特性を持たせることができます。

非鉄金屬の種類について

非鉄金屬とは、鉄や炭素鋼(鋼)以外の金屬のことです。

非鉄金屬とは:
非鉄金屬とは、鉄以外の金屬の総稱で、鉄とその合金である鋼をのぞく金屬のことです。
その生産量は鉄の生産量に比べて少ないことから、ひとまとめにして非鉄金屬と呼ばれており、アルミニウムなどの軽金屬、銅や亜鉛などのベースメタル、レアメタル、レアアース、金銀などの貴金屬に分けられます。
引用元:en-japan inc.「非鉄金屬って何?」

アルミニウム

金屬材料について|アルミニウム

アルミニウムは、金屬材料のなかでも軽い金屬材料です。
柔らかく加工しやすいため、アルミ缶やサッシなどの日用品にも多く利用されています。

マグネシウムや銅をまぜたアルミニウム合金の「ジュラルミン」軽量でありながら丈夫なことで知られ、航空機の構造素材としても使われています。

金屬材料について|アルミダイキャスト

融點が低く鋳造しやすいため、ダイカスト鋳造によるアルミダイカストの材料としても使われます。

金屬材料について|銅

銅は精錬がかんたんなため、古くは青銅器や農具などに使われています。
工業用途では、加工性?耐食性?熱伝導性?抗菌性に優れ、醫療や船舶、電子部品などの分野で多く使われています。

金屬材料について|真鍮(しんちゅう)

銅と亜鉛の合金「真鍮(しんちゅう)」は、電気伝導の特性からコネクタなど接続器にも活用されています。
また真鍮に鉛を添加した銅(黃銅)は「快削黃銅」とも呼ばれ、被削性が向上します。

銅の価格は世界を占う?
銅の価格は世界経済に先行して値動きするため、世界の景気を診斷する「ドクター?カッパー(銅:copper)」ともよばれています。

亜鉛合金

金屬材料について|亜鉛合金
引用元:秋田製錬株式會社|亜鉛生産量日本一、有価金屬回収率世界一を誇る會社

亜鉛合金は、亜鉛にアルミニウム?銅?マグネシウムなどを混ぜた合金です。
ダイカスト鋳造(亜鉛ダイカスト)の材料として、古くから使われています。

溶解溫度がアルミニウムより低いため、複雑な形狀の整形が可能。
生産コストも低いため、産業用の機械部品から子供用のおもちゃまで幅広く使われています。
被削性も高く、切削加工にも向いています。

チタン

金屬材料について|チタン

チタンは、強度?軽さともにすぐれた金屬材料です。
耐食性?耐熱性にも優れるため、自動車エンジン部品や航空機部品などで広く使われています。

金屬材料について|人工関節?人工骨

また生體親和性も高いため?人工関節や人工骨などにも利用されています。

マグネシウム

金屬材料について|マグネシウム

マグネシウムは、金屬のなかでももっとも比重の高い金屬材料です。

軽量かつ強度であることから、自動車のフレームやノートパソコン?デジカメなど、幅広い分野でニーズが高まっている素材のひとつです。

インコネル(ニッケル合金)

金屬材料について|インコネル

インコネルは、ニッケルに炭素?鉄?クロムなどを混ぜたニッケル合金です。

耐熱性?耐食性に優れ、高溫下で長期間耐える強度をもつため、高級車やF1レーシングカーなどのマフラー素材としても使われています。

ニッケル合金にはインコネル以外にも、「ハステロイ」「モネル」「インバー」「コンスタンタン」「ユーリカ」「アドバンス」など、さまざまな合金が商品化されています。

金屬材料の「快削材」と「難削材」

金屬材料について|難削材の加工

金屬材料には、加工効率を向上させた「快削材」や、強度が高いため切削しにくい「難削材」などの材料があります。

加工しやすい金屬材料「快削材」とは

快削材は、硫黃?リンなどの添加物や熱処理によって切削しやすくした金屬材料です。
切削効率がよく工具の壽命も長くなるため、NC工作機械の自動加工にも向いています。

加工しづらい金屬材料「難削材」とは

難削材は、「ステンレス鋼」「インコネル」「チタン」などの切削しにくい金屬材料です。
これらの金屬は強度があり耐熱性も高いため、航空宇宙の部品などに多く使用されています。

難削材の切削には、工作機械?ツール?工具材質の適切な選択がかかせません。

金屬材料と種類についてまとめ

この記事では、金屬加工の現場で使われている金屬材料について解説しました。

金屬材料にはそれぞれ特性があり、切削プレスなど加工方法にあわせた材料選びが重要です。
また難削材の加工もおおきなテーマとなっています。

本記事が、日頃の機械加工のヒントになればうれしいです。

〈 金屬材料の関連キーワード〉

塑性加工 除去加工

この記事の編集者?プロフィール

甲斐 智(KAI Satoshi)
甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大學修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
15年以上に渡り、工作機械業界?FA業界のWebマーケティングに攜わる
メーカーでは各種技術専門誌へ寄稿
文部科學省「學校と地域でつくる學びの未來」參加企業

所屬
SNS?運営サイト

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